トーマス・・・・・

飛ぶ!

5月に保護したハトのトーマス。
始めは「ハトは何を食うのやら」と、ハコベや玄米、雑穀、EOAを与えていた。
トーマスは玄米しか食べない。これではハトらしくないと思い、「ハトの餌」を買ってきたがキビや豆ははじいて食べようとしない。
そのせいかトーマスは片目が見えないものの元気モリモリ。ごろ・ももの手を突付くわ噛みつくわ。
毎朝、20坪ある倉庫の中で飛ばしていたが、実に力強い羽ばたきを披露してくれた。
今朝、飛行訓練を終えてトーマスにご飯をあげようとしたら、玄米がなくなっていた。(冷蔵庫にしまってあって僕は気付かなかった)
トーマスは玄米抜きで豆やキビだらけのハトの餌にご立腹の様子だった。
そうしてトーマスをカゴ(犬用のケージ)に入れていつものように外に出した。猫が狙いに通ってくるので、猫が手を掛けないようにビールケースの上に乗せて裏庭に置いていた。
倉庫で作業をしていたら裏で音がした。板か何かが倒れたか、トーマスが暴れたかしたんだろうと気に留めずにいた。
昼になって裏庭を見ると、カゴが落ちてバラバラになっていた。トーマスの羽が散らばり、周りには猫の足跡が。
どうやら猫にカゴごと引き倒されたらしい。
猫に食われてしまったのかと青ざめたが、あれだけ体力を付けたトーマスが大人しく猫にくわえられるワケがない。相当暴れるハズだ。しかし、トーマスの羽はカゴの下に5,6枚あったものの細かい羽が周囲に落ちていない。
恐らく何とか飛んで逃げたのだろうと、希望的に推測した。しばらくしたら何事もなかったように飛んで戻って来るような気がした。
この異常事態に遅れて気が付いたももはパニック状態になり、トーマスの名前を呼び続けた。ももは相当なショックで落ち込んでしまった。
実のところ、トーマスは外に飛び立ちたかったのではないか、と思う。そのために猫をおびき寄せてカゴを倒すようにし向けたのではないかと・・・。
僕たちはつい、トーマスが片目であるせいでもう外界にもハト社会にも戻ることはできないと決めつけてしまい、ずっと飼おうとしてしまう。でもハトの幸せからいって、例え、片目のせいでまた事故に遭おうと、天敵に襲われようと、外に飛び立ってハトらしく生きることの方が本分なのだろう。毎朝狭い倉庫の中を力強く飛び回る姿と、一向に人に馴れようとしない頑固なトーマスを見ていて、そう感じていた。トーマスは僕たちが解放するつもりがないことを理解して、最終手段に出たような気がする。
いつか元気にたくましく飛び回っている姿を見せに来てくれることを願っている。
ひょんなことからカゴメ唄の「カゴの中の鳥はいついつ出やる♪」が実現した。
これからごろ・あまむともも・みろくにミロクのエネルギーが降り注ぐのかとも思えて、気が引き締まる。
5月24日から56日間の短い思い出だった。あれ?56ってごろ〜の意味かな・・・。anyway.
頑張れトーマス!たくましく生きろよ。ありがとうトーマス!