不思議な植物「バケツラン」

昨夜のNHKテレビ番組「地球不思議大自然」が面白かった。
南米産のバケツランの花は名前の通りバケツ状になっている。中に蜜のプールをたたえて、甘い匂いでハチを誘い、滑り落ちたハチに試練を与える。溺れかけたハチにちょうどイイ踏み台を中に用意し、格好の非常口抜け穴に誘う。ハチがそこから外へ出ようとする時に、自動的に背中にバケツランの花粉カプセルが接着されるようになっている。いやはや感嘆した。
この植物は、1.ハチが匂いに引き寄せられること 2.ハチが蜜のプールに落ちること 
3.ハチは溺れそうになること 4.プールから上がるのに踏み台が役に立つこと 
5.ハチは非常口から脱出を図ること 6.ハチの大きさ 
7.ハチの背中に花粉カプセルを接着する巧妙な仕掛け 8.カプセル形状が花粉を飛散させるのに有効であること
 などを知っているとしか考えられない。
植物が進化する中で形態を獲得したと言われても最早信じられない、実に不思議の数々。神様のユーモアセンスもなかなかのものだと思った。
でも、その賢いバケツランの数々の仕掛けに、真剣にハマリ続けるハチのまた愛らしいこと。
ヒーヒー言ってやっと花から脱出する瞬間にラブリーな花粉カプセルをピトッと付けられる所なんか、もう〜たまらない。「このハチは僕たち人間の姿なのかもしれないなぁ」と思った。
番組ではバケツランの他にも数種類の賢いラン科の植物が紹介されていて、これまたたまらなく面白い仕掛けが用意されていた。
自然には、他者との関わりをうまく利用したシステムがいろいろとある。今回は日本からは遠い地の植物を取り上げたが、身近な自然にも不思議の数々があふれている。
当たり前に見えるクモの巣や、ハエが飛び続けるエネルギー、アリの俊敏さ、などなどよく観察したら実に楽しい不思議の数々を発見できる。
日本人は宗教に対して認識があいまいだと云われる。(そこがイイ所なんだけど・・・。)
日本文化のベースになっている神道は教義も教祖も存在しないので「宗教」ではないのだから仕方がない。フリーメーソンの入会条件に「特定の宗教や神を持っていること」がある。ここでいう神を崇めることとは、宇宙には人智を超えた否定できない偉大な存在があると認めることだ。
日本人には、八百万の神を見る豊かな心があった。この心を忘れないように、毎日、身近なものにもワクワク、感動して生きたいものだ。