顔ダニ

半年前にテレビで「美容整形の先生に聞く」なんて調子で「顔ダニの恐怖」という特集が放送された。毛穴から分泌される皮脂を食べて顔ダニが住み付いているのだとか。
そりゃあいるでしょう。薬用石鹸ミューズなんかでも手にバイ菌が付いていて、殺菌しなければいけないなんて無理やりな宣伝してたのを思い出す。
人間の皮膚には常在菌がびっちり張り付いている。毛穴から出る汗や老廃物、アミノ酸、皮脂をエサにしてどんどん空気中やら接触する物体からバイ菌も微生物もやってくる。
そんなのをいちいち恐怖なんて脅かされていたらノイローゼになってしまう。
顔ダニの特集では、まめに顔をお手入れ(殺菌)しなければ、顔が変形すると言うばかりに奇形顔を映し出していた。そして何も知らない人に「あなたの顔にダニが生息していたらどう思いますか?」と質問して「キャー!やだやだ。キモイ。怖い。」と騒がせていた。しまいには実際に顔からダニを採取して本人に見せて気持ち悪がらせる。
対してクリニックの先生のコメントがイイ。
「ほとんど皆さんの顔にこのダニはいますよ。いてもどうってことはありません。もしイヤなら洗顔時に殺菌効果があるものを使って下さい。」とクール。
このコメントを受けてか、受ける気がないのか司会者はとにかく殺菌することを視聴者に薦める。硫黄泉がイイだの、薬があるだの。
何が言いたいのかさっぱり分からない番組だった。
それが先日、エステサロンをやっている女性に会って「ウチのサロンにいらっしゃい。顔ダニを取らなければダメよ。」と言われた。冗談で「顔ダニは大事に飼っているから問題ないよ。」と返したらもう大変。信じられないという表情をされてしまった。
テレビには安易な情報を放送して、単純思考の人を作り出す功罪があるなぁ。
体に付く微生物が「バイオフィルム」という生物膜として僕たちの体を守る重要な役目をしているというではないか。
僕はウォシュレットなんかはほとんど使わない。ウォシュレットの取り付けに来た電気屋さんにお尻も粘膜だから、水道水の塩素が吸収されちゃうねと言ったら困った顔をしていた。
最近女性のデリケートゾーンのかゆみとかCMでやっているけど、ウォシュレットも悪さしているのではないかと気にしていた。メーカーの勉強会でもお尻を洗浄することが好ましくないという意見も出ているのだそうだ。
あれ?シティホテルで浄水ウォシュレットが普及していることをここで書こうと思ったら、ネットでそれらしき情報が見つけられない。
おかしいなぁ。そんなの全然普及してないのかな・・・。