絶叫登山〜トムラウシ編〜

goro3582004-12-14

4年前になるかなぁ。友人カップルの誘いがあって、3人でトムラウシ山登山に出かけた。友人たちは念願の初トムラウシだったが、僕はそれ以前にかれこれ5回、沼の原からの1泊縦走コースでトムラウシに登っていた。今回はトムラウシ温泉コースからの日帰り登山で、下山後に友人ペアは東大雪荘に泊まると言う。僕は調子こいて、登頂後ヒサゴ沼宿営地に行って泊まり、翌日下山して帰りに合流すると言った。本音は酒を飲んだ二人にからまれるのが辛かったのと、宿代がもったいなかったのと、大好きなトムラウシを満喫したかったという3つのうちのどれかなのだ。
さて、いつものように友人が登山靴を忘れたとかぬかるみで転んで泥だらけになったとかハチャメチャ登山が始まった。平日だったせいか他に誰も登山者がいない中、3人は至福のトムラウシ山頂に立った。
そこから僕は北へ進み、2人は南の来た道を帰って行った。
翌朝早く意気揚々とトムラウシ山頂を目指した。
絶景を独り占めした後、急いで下山を開始。岩場をガシガシと下る。5歩、6歩・・・。
10歩目くらいの時、左のヒザにズキンと来た。
あわわと思っていると右ヒザにも激痛が走った。あやうく岩場を転げ落ちそうになった。
うーむ、頂上で休んだ時にヒザが冷えてしまったらしい。
だんだん絶叫に変わって行く。静かな山が非常事態になって行った。
痛みで全然歩けなくなってしまった。しかししかし、約束の11時までに登山口まで戻らなければ2人に迷惑をかけてしまう。もう必死だ。
待ってくれている2人を見たら泣いて抱きついてしまうだろうと、消えそうになる意識の中想像しながら、やっとのことで11時を10分ほどオーバーしてなんとか下山した。
2人が待っていてくれた。
おや?僕の兄貴分の藤田さんが包帯で腕をつっている。
藤田さんが虚ろな目だ。
彼女さんいわく、藤田さんは前日下山途中の岩場で転倒して手首を骨折したのだと。
病院に行けばイイのに、せっかくの温泉宿だから、しっかり温泉に浸かって、ご馳走を食べて酒をしこたま飲んで、おかげで痛みがひどくなって一睡もできなかったそうな。
結局、登山靴を忘れてスニーカーでトムラウシ登頂を果たした彼女さんが、情けない男2人を釧路まで送り届けてくれた。