格闘技ブーム

goro3582004-12-15

晦日は格闘技番組二つと紅白歌合戦の視聴率争いが三つ巴の様相だ。
プロレスは幼稚で苦手なのだが、打・投・極の総合格闘技は大好きだ。
ブルース・リーの哲学、そして芸術としての格闘技が好きだ。彼は自己表現として格闘技を独自に進化させた。暗殺されなかったら護身術どころではなくて、芸術としての格闘技が彼によって世界中に広められたことだろう。
さて、10年前のヒクソンブームからブラジルのグレイシー柔術対日本の構図が続いている。
この因縁は1914年にまで遡る。ブラジルに渡った柔道家前田光世グレイシー家の五人兄弟達に、日本の柔道の技術と精神を教えた。 治安の悪いブラジルに住む彼らは、自己防衛という理念に大きく共感を覚え日々の稽古に明け暮れた。1925年、前田の意志を継いだエリオ・グレイシーによってブラジルにグレイシー柔術が根付いた。1951年、日本トップの柔道家木村政彦がブラジルに行き、このグレイシー柔術と対戦。日本柔道に惜敗したことから、グレイシー一族は世界一の格闘技とするべくさらに技術の向上を目指した。そして、タックルで相手を倒し、そこから関節技や締め技で極めるといった、現在の総合格闘技では王道の戦法を完成させた。
特に空手やキックボクシングといった打撃系の選手が、グレイシー戦士の前に何もできないまま敗れていく。ヒクソン・グレイシーにいたっては400戦無敗と言われている。
http://www3.ocn.ne.jp/~haseg3/gvsj.htm
何とも面白い話だ。日本からはちょうど地球の裏側にあたるブラジルと、こんな因縁が繰り広げられることになるとは。陰陽のあらわれのようだ。
ちなみに、ブルース・リーが伝えた格闘技ジークエンドーは「相手に大きなダメージを与えて勝つ」がテーマ。
対して、グレイシー柔術は「相手には最小限のダメージしか与えないように勝つ」のがテーマ。柔道の理念が正しく伝わっているのがウレシイ。
近年の格闘技ブームは確かに品がない。アメリカでのアルティメット大会は危険極まりない。
筋肉増強剤で大きくなった体に興奮剤など薬物が加わった狂犬のような選手が暴れまくっている。
しかしそんな格闘技界に、ブラジル人と日本人が正々堂々と登場している。
まるで、チャンバラに夢中な子供に剣道を教える大人のようだ。
須藤元気選手は特に、格闘技での真剣勝負を通じて世界中の人たちとコミュニケーションを図ろうとする姿勢が強い。いかにも強そうな外国人選手に美しく勝ち、相手を称えて潔さと礼儀作法を見せ付けてくれるのが快感だ。
世界格闘技の主戦場はアメリカと日本。そこで、日本人とブラジル人が活躍する、というところにロシア人が登場した。
圧倒的な強さを誇るロシア人選手ヒョードル。ファチマの予言にあるとおり、世界の終末を演出するのはやはりロシア人なのだろうか。ひぇ〜!
と思ったら、ヒョードルはとても礼儀正しい好青年だった。ひとまず安心。