気まずい人たち

goro3582004-12-28

先日コンビニで買い物をしていたら中年おじさんが入ってきた。
ピンポンとチャイムが鳴って店員は機械的に「いらっしゃいませ今日は〜。おでん30円引きです。いかがですかぁ〜。」と言った。
おじさんは店員のもとへ歩み寄って「え?」と。
アルバイトらしいお兄ちゃん店員はドギマギした様子で「い、いらっしゃいませ。おでんが30円引きですのでいかがですか。」と繰り返した。
おじさんは拍子抜けしたように「あ、そうだったの。ならいらないよ。」と返した。
横で見ていた僕にはたまらなく面白かったが、店員は気まずかったろう。
次にお客さんが入ってきた時は小声で例のお決まりあいさつをつぶやいていた。
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電話ボックスに入って携帯電話をしている人を見かけた。
今や公衆電話のニーズがなくなっているので電話ボックスの有効利用なんだなぁ。
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通勤途中のこと。信号待ちしていたら交番の横で警官らしき人が立っていた。
はて、こんな所で警官は何の取締りをしているのかとジィ〜っと見た。
よく見ると警官ではなくて道路工事の棒振りのおじさんだった。
そのおじさん、ぼくにまじまじと見られて気まずくなったらしく、あわてて誰もいないのにやおら棒を振り出した。
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またやってしまった。
エレベーターに乗り込むと駆け寄ってくる人が見えた。親切紳士の僕はそのおじさんが乗ることができるように待ってあげるのだ。
だまっていたら扉が閉まるだろうと、「開く」ボタンを押してあげた。
それがボタンを押し間違えておじさんをドアでベコンと挟んでしまった。
僕とおじさんがお互いにすいませんと頭を下げる。
二人だけのエレベーター室内はイヤな空気。
あの「開く・閉る」ボタンは間違いやすくてこんなことがしょっちゅう起こる。
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隣を走る車から妙に騒々しい音が聞こえてくる。
見ると道路工事に使うカラーコーン(赤いトンガリコーンみたいなもの)がつぶれて車体の下に挟まっている。
運転者に知らせなきゃと思っているとうまい具合に信号で隣に並んだ。
窓を開けて「おじさ〜ん、カラーコーン引きずってるよ!」と指差して教えてあげた。
おじさんは窓を開けることもせずに聞いているのか聞いていないのか、軽くうなずくだけ。
心配性な僕は繰り返し伝えようとするのだが、おじさんは困った顔をして、しまいには軽い笑みを浮かべて僕を見ないようにしていた。
気まずいなぁ。
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近所に2匹一緒の犬がいる。道路っぷちにいて小屋もなくコンクリートの上に寝ているのだ。
見るからに寒そうで、僕よりもパートナーの方が気をもんでいる。
パートナー、とうとう放っておけなくなって毛布を犬にプレゼントしに行った。
人の気持ちをくみ取ることができないアホ犬でオリ越しに牙をむいて吠えまくる。
毛布をオリの上から投げ入れた。ドサっと丸まったまま落ちた毛布を広げてあげたいパートナー。
案じていたら横に棒切れがあった。それで毛布を突っついて広げてあげましょ、と棒を手にしたら、犬のまた吠えること吠えること。気が狂ったように始まってしまった。
見るとその棒に無数の噛み跡が付いていた。道行くひとか飼い主かが犬の制裁ように使っていた棒らしい。
気を取り直して翌日、2匹の犬が毛布のありがたみを分かってくれたか、と見に行くと。
毛布はウンチと小便まみれになって丸まっていた。