伊勢への旅・その2

奈良ではレンタカーを借りて移動する必要があった。
昨年釧路に帰省している時に、お店に買い物によく来てくれていたMちゃんが、今年の1月に奈良へ嫁いでいた。
彼女は釧路にいる間、マクロビ食を実践し、体調が良くなり、5キロも痩せてしまったのだ。
奈良であまむ2号店を開きたいと夢を語っていたMちゃんに、奈良で会おうと連絡したところ、車を出して1日付き合ってくれると言う。

■2日目 3月5日(木)

8:08 京都駅発 9:09 奈良駅着。素敵な数字だ。
快晴の空に怪しい雲が現われ始めた。
小倉駅に差し掛かると、雲は幾筋もの線を描き始めた。
小倉辺りで何かあるのだろうか?

奈良駅から天理駅へ。10:00 そこでMちゃんと再会した。
天理市は日本では唯一の宗教名が地方自治体名になっている宗教都市で、「日本のバチカン」と呼ばれたりする。
天理市のシンボルマークは梅の花のデザインになっている。
↓電話用マンホール

「梅で開いて松で治める。竹は外国の守護──という意味は、梅は教(おしえ)、松は政治、竹は武を意味するもので、武は国を害するというので害国(がいこく=外国)ということになる。──(以下略)──」
出口王仁三郎「月鏡」=梅で開いて松でおさめる=の項より)

神の教・道を中心とする世を“梅の世”となし、武力・軍事力を中心として支配する世を“竹の世”となし、政治経済を中心として支配する世は“松の世”となる。

天理市のシンボルが梅なのは偶然か?
600年以上の南北朝の対立を融和に導いた竹田さんと竹内さんに竹が付いているのは偶然か?
 (※ 第73世武内宿禰は竹内姓)
昭和の日本を支えた経営の神様はが松下というのは偶然か?
カネの象徴の松が先で、神の象徴の梅を従えて、松梅で「ショウバイ=商売」と読むのは偶然か?
実にフシギなもんだ。

先ずは国宝の七支刀で有名な石上神宮へ。
石上神宮大神神社と共に、日本最古の神社といわれている。
何せ「日本書紀」に神宮の記述があるのは、伊勢神宮石上神宮だけ。
大和王朝の軍事を司っていた物部氏氏神で、神武天皇東征の時、平国之剣の霊威によって国土平定がなされ、その霊威が布都御魂大神として祀られている。
そして、素戔嗚尊スサノオノミコト)がやまたの大蛇を退治したときの天十握剣の霊威が布都斯魂大神として祀られている。
ここで剣の霊威をいただいて、竹の力を取り入れることにしよう。

 ↑それらしい雲が出ていた。

次は大神(おおみわ)神社へ向かう。
ここの御神体三輪山で、かつて大和朝廷の国家神、天皇霊天照大神がを祀られていた。
7世紀に藤原氏によって、天照大神が抜き取られて伊勢へ遷された後は、大物主神が坐しているそうだ。
この三輪山から真っ直ぐ東を見ると伊勢神宮があり、西には二上山がある。
見事に配置したもんだ。
去年、大峯奥駈に修行で入って3日ぶりに玉置神社で人間に会った時はウレシかった。
その人間とは、ここ大神神社の講元様率いるご一行だった。
フシギな縁だなぁ。

大神神社の奥にある狭井神社へは「久すり道」を登って行く。

北海道と釧路を合わせたような名前だ。
霊山三輪山へ登るには、狭井神社で祓い清めをしてから、お許しの印である襷を受け取らなければいけない。
襷には整理番号が書かれていた。
「3−83」。
3月の83番目ってことかな?
お!ミワサンで三輪山と読めるではないか。
さらに明日は名古屋でミワさんに会うことになるのだ。
これまたミワサンの数字だ。

この山には正しくは裸足で登るのだが、前々日に雪が降った後で気温も10度しかないので靴のまま登り、頂上部で裸足になろうかと思う。
Mちゃんには申し訳ないが、ここでしばらく待っていてもらうことになる。
ちなみに山域内での写真撮影禁止で、飲食物の持ち込みも禁止である。
この日は快晴ということもあってか、15人ほどの入山者があったようだ。
下山してくる数人とすれ違った。
登り始めて15分、滝の行場を過ぎたところで、裸足の女性が下りてきた。
ワワワ。そうですよね、僕としたことが失礼しました。
慌てて、靴を脱いで裸足になる。
地面が冷たくて先が思い遣られる。ところどころにぬかるみがあり、足の感覚が無くなって行く。
「エィッ!」と気合を入れながら進んだ。
1時間ほどで頂上に着いた。
聖なる山はかくあるべしと思う、素晴らしい山だった。
無事下山して、裸足のまま写真を撮ってもらった。

狭井神社の霊水で足の泥を洗い流して、次は橿原神宮へ。
初代天皇とされる神武天皇が祀られている。

神武天皇は、皇孫・瓊瓊杵尊がこの国土に降られた日向国高千穂の宮におられたが、天下の政治を行うべくはるばる東遷の途に立たれた。途中幾多の困難に遭われたが、ついに大和の国を中心とした中つ国を平定され、畝傍の橿原の宮において即位の礼をあげて、国の基をたてられた。


橿原神宮の格式高さと広さには圧倒された。
奈良には素晴らしい聖地がたくさんあって、うらやましい。

最後に向かったのは、天理教会本部。
広大な敷地にはゴミひとつ落ちていないし、施設内は掃除が行き届いていて、人の美しさの極地が体験できる場所だ。
中央の「かんろだい」には参拝者が次から次と集まって、お祈りを捧げている。
天理の教えを受けたMちゃんがお祈りする姿に見とれてしまった。
心地よい歌にも聞こえるし、手振りがまた優雅で美しい。
Mちゃんの案内で教会本部内の全部を回って見ることができた。

天理駅でMちゃんと別れ、近鉄急行に乗った。
携帯に入ってくるニューストピックでは、今朝乗ってきたJR京都線で転落死が起きたことが伝えられていた。
合掌。
京都への帰りは犠牲者が出なければイイなと思い、今度は近鉄線に換えたのだ。
すると、小倉駅の手前で緊急停車。
アナウンスで、この先の小倉〜池田間で人身事故があったと伝えられた。
5分の停車の後、運転が再開された。
またも合掌。

京都に戻ってすぐに風呂に入り、冷えた体を温めた。
Mちゃんも1日中付き合ってくれて、さぞかし寒かっただろうなぁ。
風邪ひかないように願う。
こちらは旅の途中で体調を崩さないようにと「EOA」を持って来ている。
1日に5本食べているから風邪をひく心配はないのだ(^^)v