東北の旅・その1

goro3582009-06-08

■1日目:6月8日(月)
月の日、この日は満月。
苫小牧から車載でフェリーに乗り、秋田へ向かう。
出発時、18時で苫小牧は12度しかない。
フェリー受付で、お姉ちゃんに
「2等客室備え付けの毛布1枚で寒くはありませんか?」と聞くと「大丈夫ですよ」の返事。
鵜呑みにした僕がバカだった。
寒くてたまらない。
幸い、2等客室は空いていて、居合わせた4人がそれぞれ4枚ずつかき集めて寝た。

それでも寒かった・・・。
6・8とは、麻生太郎氏にまつわる数字だ。
麻生太郎氏・・・祖父の吉田茂氏と同じく、68才で総理大臣就任。
麻生さんは、横綱朝青龍内閣総理大臣杯を手渡す際、「総理大臣賞」と読むところを「内閣総理大臣 朝青龍明徳殿」と「賞」を飛ばして読み上げ、場内から野次を飛ばされた。
面白い。
朝青龍・・・第68代横綱
浅田真央・・・ 15歳(1+5=6)、GPF(ジュニアグランプリ全)優勝 
        17歳(1+7=8)、世界選手権優勝
6・8はアサに縁がある数字だと解釈している。


■2日目:6月9日(火)


朝7時に秋田に到着。先ずは朝食に、モスバーガーを探す。
秋田中心部に向かって走り出すと、あった!
大好物のきんぴらライスバーガーとアップルパイでホッとする。
今日から3日間、山篭りするので暇つぶしに本を買おうと次にBOOKOFFを探す。
なんとモスバーガーのすぐ先にあった。が、開店の10時までまだ時間がある。
それまで山中3日分の食料品などを用意しておこうと、スーパーを探すとこれまた目の前にITOKUなる大型スーパーがあり、好都合!
BOOKOFFでは三島由紀夫の本を探した。
豊饒の海』をじっくりと読みたかったのだ。
村上春樹の本もどれか1冊と思い、『神の子どもたちはみな踊る』を手に取った。
短編集で、いきなり「UFOが釧路に降りる」から始まる。
これだけあれば山小屋で退屈しなくてイイだろうとニンマリ。
さて秋田から青森の白神岳に向かう。
北緯39度から40度に突入。
大潟村には北緯40度を示すモニュメントがある。
これはゴロー39才→40才の暗示だろうか?
国道7号線から101号線に乗って進む。
和の108で、あれこれ想いながら約80kmのドライブ。
山に登る前に温泉に入って身を清めなければいけない。
登山口の先にAWONE(アオーネ)なる施設があって、そこに温泉のマークが。
下調べではそんな温泉は見つけられなかったハズ。
それもそのはず、この5月にオープンしたばかりだった。
キレイな施設のピカピカ温泉に貸しきり状態で入ることができた。ラッキー!
白神岳の登山道中腹に湧き出る水は美味で知られている。
広島原爆ドーム世界遺産に登録された際の記念式典に、この白神の水が献上されたという。
白神岳の白い神とは?
ずっと旧約聖書の神と新約聖書の神を黒い神、白い神と区別して考えてきたのだが、今回の山行でその答えが現われるかもしれない。
14:00、登山口に到着し、準備に取り掛かる。
ここから山頂小屋までは6.5km、登り3時間半のコースだ。
3日分の食料と寝袋や雨具の装備で20kg近くなってしまった。
天候は低気圧の影響で雲が低くなっている。
疲労と寝不足で、歩き出してすぐに大汗をかいてしまった。
荷物が余計に重く感じる。
ガスのせいで、視界が利かない登山路を進む。
中腹の水場で、噂の美味しい湧き水を3リットル汲んで担ぎ上げる。
また荷物が重くなってしまった。
蟶(マテ)山分岐でやっと半分くらい登ったことになる。
マテとは何のことだろう?
虫偏は龍を表すし、聖の字だとしたら、龍神様のことなのだろうか?

ここからの登山道は泥でぬかるみが多く笹も覆いかぶさって、世界遺産というイメージからは離れた、荒れた状態だ。
標高が900mを過ぎた辺りで、雲の上に出た。
下には雲海で、たまらない眺めが広がっている。

やっと尾根に取り付いてぐんぐんと高度を稼ぎ出したところで、ブ〜ンと臭った。
クマの強烈な生臭さだった。
頂上に17:40に着いた。

山頂小屋には先客があった。
神奈川から来たおじさん。彼は地元大館の出身だそうで、二股コースから上がって来たのだ。
途中、数回川を渡渉するところがあるのだが、そこで岩で滑って転んでしまい、川に落ちてしまったと言う。
べっしょりと濡れた登山靴でよくここまで上がって来たものだ。
胸部打撲が辛そうで、咳き込む度に「痛たたた」と苦しんでいる。
肋骨にヒビが入っているかもしれない様子だ。
今夜はこのおじさんと2人で小屋泊まりになる。
19:00 日本海に沈んで行く夕陽がとても美しい。
何度もこの山に登っているというおじさんは、珍しがっていた。
この山からこれほどキレイに夕陽が眺められるチャンスは少ないそうだ。
19:10 陽が落ちて、静寂に包まれて小屋に落ち着いた。
おじさんはウイスキーをすすめてくれた。
その夜、予想した通り、寒さとおじさんのイビキに苦しめられたのであった。