まほろば@札幌〜ストーリー・パート1〜

夜明け

昨日札幌でさだちゃんの家に泊って、今日は「まほろば」に行った。
まほろばは北海道で一番の自然食品店。
買い物をかねて、大橋店長に挨拶をした。(宮下社長とは会ったことがない。)
そこで大橋さんから、チビリそうになったくらいたまらない話を聞いた。
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順調に営業を続けてきたまほろばに大家からの嫌がらせが降りかかった。早く立ち退けと、えげつない営業妨害の雨あられ
やむなくまほろばは移転先を探し始め、ある物件に99%確定していた時のこと。
何やら(ここの詳しい経緯は忘れた・・・)由緒ある高齢の人がやって来て、移転先として目の前の土地を告げた。そしてその土地の中心を掘れ、とのメッセージを託した。
宮下社長も大橋店長も有り難いお告げと思ったものの、現実問題としてその土地は600坪区画で1億円以上もするので検討外だった。
それがその後すぐに、あり得ないことに、既に決定と思われた物件が白紙状態に戻ってしまった。
早急に移転先を決めて設計図を作成しなければいけない切羽詰まった状況の中、件の物件を含め数件の物件を候補に挙げ、交渉を行なった。そして候補は2件に絞られた。その時、件の土地は買い手が付かないという状況から6区画に分割された。お告げにあった土地は100坪区画になったもののそれでも購入不可能な価格だった。別な方の物件が無難だということでそちらに決めかけていたのだが、そこでまほろばは賭けとばかりに金額交渉に出た。作戦が見事奏功し、相手は言い値で折り合わせてくれたのだ。
大急ぎで設計図を起こす。その土地はL字型になっていて、社長はふとしたアイディアから2つの長方形に分けてから、それぞれ黄金分割比を用いてデザインを試みた。その2つを重ね合わせてみてビックリ。2つの中心点が見事にピッタリ重なり、ハート型の図形が現れたのだ。ハートは2重、3重と現れて、そこから札幌市を包み込むハートに、そして北海道、日本、アジア、世界、さらには地球、太陽系、とどんどん拡大していくイメージにつながった。
お告げの通り、土地の中心をスタッフ全員で掘ってみた。すると砂地からふと固い物にスコップが当たった。なんとハート型の石(それも立体的にハート型になっている)が出現したのだ!
まほろばの地下室はそのハート型の石を供えた祭壇になり、異空間の様相になっている。
2004年の7月7日にまほろば新店舗オープンと日程が決まり、例のお告げをくれた老人にお礼を伝えた。老人は病の床にあった。
めでたくリニューアルしたまほろばは実に素晴らしい店になって開店から大盛況となる。その10日後、7月17日に老人は亡くなってしまった。
そこまで話を聞いていて、今日がその老人の1周忌だと気付いた。
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パート1ここまで。