ボディコンバットなるエクササイズ

パートナーももがフィットネスを再開した。かつてないほど不条理な体型になってしまい、いよいよ尻に火がついたようだ。
僕はウェイトトレーニングを薦めるのだが、女性が一人でやるのには難しいようだ。誰もいなくても黙々と運動できる人と、誰かが見ていてくれないと運動できない人とに分かれる。（僕は味噌汁があればご飯が食える派だ。）
ということで、彼女はみんなで楽しくエクササイズの方を選ぶのである。そのお気に入りのレッスンプログラムが「ボディコンバット」だ。
ボクシング、キックボクシング、空手、ムエタイ、テコンドーなど格闘技Ｋ-1に見られるような打撃系の動きを取り入れたエクササイズで、見ていても格好イイし、やってみると相当ストレスが解消されるらしい。
彼女がハマッた時は、いっそ僕を蹴ろうとして大変だった（汗；）。それがご多分に漏れずだんだんエスカレートしていくのである。
フック、アッパー、サイドキック！なんて言っている内は良かったのだが、「こめかみ！」、「急所！」などが出てきた。
僕こそ格闘技が（見るだけ）好きで、危険な打撃技は心得ている。競技として格闘技を成立させるには危険技を排除しなければいけない。ヒジ打ちでこめかみを打ち抜くと・・・・など想像すると恐ろしいことになるのだ。
そんな心配性の僕を尻目に彼女はボディコンバットで覚えた技の数々を披露する。
アッパー、顔、頭！とフックパンチを繰り出す。しまいには「爪で顔を剥ぐ〜」と暴走ボブサップに変身する始末(TT)。
こんなこと教えてイイのか〜！素人女性にこんなこと教えて、路上で変質者に襲われた時、咄嗟にこんな技が出たら相手を殺してしまうのではないか。
ももがしつこく誘うのでしぶしぶレッスンに出てみた。いるわいるわ、すっかり成りきり状態のメンバーたち。ほとんどが女性だった。手にはオープンフィンガーグローブ、キックパンツに得体が知れないフリルをつけていたりしてコスプレ天国状態。レッスンが始まってみると確かに動きは面白い。かなりの運動量で、もしも曙が本気で練習したのならシェイプアップにもならず強くもならなかったアレは嘘だと思うくらいハードだった。次第に意味不明な構えやら、香港でもありえないような蹴りが出てくる。その日たまたま広告写真撮影があってこのレッスン風景がとられた。1週間後、友人から「チラシに写ってたよ」と知らされて驚いた。ヤレヤレ。
今日もももが危ない目つきで、「前蹴り！肘！顎を打ち砕く！」と言って僕に向かってくる・・・。